剣道 踵の痛み 原因と対処方法

剣道をされている方で踵の痛みに悩まされている方は多いかと思います。私自身、高校時代は随分と悩まされましたし、稽古の際にも踵サポーターを装着している方は多くみかけます。また、先日の当ブログでも書きましたように、高校生のケガで一番多いのは踵というデータも出ております。そこで、今回は踵の痛みについての対処法に触れてみたいと思います。

踵痛の原因

ケガをするのは関節や筋肉に許容範囲以上の負担がかかる時です。それは瞬間的なものと、繰り返しで蓄積していくものがあります。剣道での踵のケガは後者に由来するものが多いと考えられます。剣道は打突の際に右足で床を強く踏み込みます。一度の踏み込みでは大丈夫でも、繰り返すことで徐々に踵へのダメージが蓄積していくのです。打撲の症状とほぼ同一のようになり、ひどい場合は疲労骨折に繋がることもあります。初期の症状は、しばらく稽古を休めば痛みは軽減しますが踵の痛みは繰り返しやすいのが厄介なところです。

対処法

踏み込み動作中に痛みを感じた時は、稽古を中断することをお勧めします。先にも申しましたように、最悪の場合は疲労骨折を起こす可能性もあるからです。また、他の原因も考えられるので医療機関での受診もしておく方が良いでしょう。また、保護と予防のためにサポーターの装着も有効です。患部を冷やすか温めるかという事については、現在様々な意見があります。(以前はアイシングが有効とされていました)ですので、自身が心地よいと感じる方法で構いません。大事なことは、無理に稽古を継続しないことです。そして、踵に負担をかけない踏み込み方法を覚えることが再発防止には不可欠となります。

負担の少ない踏み込み動作とは

踵の痛みに対する対処方法は様々ありますが、そもそも踵に痛みを出さないことが最も重要です。踵に限らずケガには必ず原因があり、そして動作の中にその要因が含まれている場合がとても多いのです。つまり運動中の動作が自身の負担になり、それがケガに繋がるのです。踵の痛みは踏み込み動作の中にあります。打突の際に足を強く床に踏み込むのですが、この時に踏み込んだ足には大きな負担がかかります(体重の3倍程度と言われています)ですので、誤った方法で踏み込むとすぐに足を痛めます。では強く踏み込まなければ良いのでは?と思われるかもしれませんが、剣道での踏み込みは打突の強さに繋がるのでそういうわけにはいきません。剣道を始めたばかりの時に“強く踏み込め!”と指導をされた方も多いと思いますが、その理由は打突を強くする為です。私は少年剣道の指導にも携わっているのですが、初心者の子供たちに“強く踏み込んでみて”というと、ほとんどが右足を高く上げます。この動きこそが踵から着地する原因となり負荷をかけてしまうのです。踵の痛みに悩まされている方は、一度動画等でご自身の踏み込み動作を確認してみてください。正しい踏み込み動作は、右足を高く上げるのではなく左足で身体を送り、右足は低く浮かせて打突の瞬間に踏んづけるのです。そうすると、右足の踵ではなく足の裏全体で着地する感覚が身に付くはずです。私は、大学時代にこの踏み込みを指導されてから以降、踵の痛みに悩まされることはなくなりました。ご自身の動作は、なかなか自分では解らないものです。是非一度、確認されてみることをおすすめします。

お子様の踵の痛みには、特にご注意を

剣道での踵の痛みは、間違った踏み込み動作によるものが多いですがお子様の場合はシーバー病である可能性も考えられます。シーバー病は10歳前後のスポーツをしているお子様によくみられる障害です。詳しくはこちらのページをご参照ください。剣道をしているお子様にもシーバー病は比較的よく見られます。レントゲンやエコーで診断できますので、お子様が運動後に踵の痛みを訴えている場合は医療機関へ行かれることをおすすめします。

まとめ

今回は剣道での踵の痛みについてまとめてみました。踏み込み動作は、日常的にはなじみのない動作です。なので、間違って覚えてしまうと修正が難しくなりますし、それが剣道の上達を妨げる事になります。当院では治療以外にも、動作指導も行っております。ご相談だけでも結構ですので、気になることがありましたらお気軽にご連絡ください!

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