私のような中高年剣道家で最も怖いケガとして、アキレス腱断裂があります。アキレス腱断裂を起こしてしまっては、剣道はもちろん日常生活にも多大な影響があります。また、完治にも時間を要し長い方ですと一年ぐらいかかることも。この厄介なケガを自ら経験してしまうハメに・・・今回は私が経験してきたことをまとめてみたいと思います。
とある稽古にて
8月末、所属している会の稽古日の地稽古にてそれは起きました。高段位の先生に掛かっている際、打突後に振り返りそのままもう一度打突しようとした際に左足下腿部(ふくらはぎ)にバチっという音と共に激しい痛みを感じそのまま倒れこんでしまいました。瞬間的に“これはやってしまった・・・”と感じれるものでした。アキレス腱断裂をまっさきに思いつきましたがふくらはぎ上部の痛みが激しく、つま先立ちも出来た為、肉離れをしたのであろうと判断しその場では自身で応急処置を行いました。この時は、自分がこの職業でよかったと思ったものです。
診断結果
稽古日は日曜で、昼からは仕事であったため院に戻りテーピングと包帯固定を行いました。さすがに当日は痛みが激しく歩行もかなりつらい状況でした。この日の患者さんには大変ご迷惑をおかけし申し訳なかったです・・・ちなみに受傷直後はこんな感じでした。
ふくらはぎあたりにあきらかな腫れがあり、アキレス腱部が肥厚しているのがわかります。
画像が悪くて申し訳ないですが、左右の比較はこんな感じ。今見返してみても、アキレス腱周辺の腫れがよくわかります。これはマズイと思い、エコーの撮影をしてみました。
左が負傷したアキレス腱、右が正常なアキレス腱です。この画像を自ら撮影して絶望しました(笑)右側と左側はそれぞれ右足と左足を撮影したものです。左側(左足)は中央部分に黒い部分があるのがハッキリわかります。これは炎症を起こしている状態で、組織(アキレス腱)の損傷があることを示しています。念のために知り合いの先生にも診てもらいましたが“うん、切れてるね”とあっさりいわれました・・・ですが、完全に断裂しているのではなく小さな亀裂が入っている状態でしたので診断名はアキレス腱の部分断裂ということでした。
部分断裂とは
部分断裂とはその名の通り、一部分が切れている状態です。例えるなら、腱や筋肉は“裂けるチーズ”のようなもので、強く引っ張っていくと少しずつちぎれていきます。部分断裂とはそのような状態で、肉離れも同様の原理で発生します。よければこちらの記事もお読みください。筋腱の部分断裂も完全断裂も基本的には修復されますが、適正な固定と治療をうけたほうが治療期間も短くなり。後遺症も残りにくいです。断裂を起こしているかどうかの判断は医療機関で診てもらうのが一番です。気になる症状がおありの方は、自己判断されずに先ずは各種医療機関へご相談ください。
復帰までどれくらい?
筋腱の断裂からどれぐらいで復帰できるか。これが一番気がかりかなところかと思います。結論から申しますと、これは損傷の程度によります。教科書的には、肉離れですと3週間程度、アキレス腱断裂ですと半年程度という目安はあります。しかし、これもどの程度の損傷か、どの部位なのかにもよります。私の場合は、アキレス腱の部分断裂と下腿部の肉離れを同時発生いたしました。現在(10月1日)は日常生活にはほぼ支障はありませんが、走るのと荷重時には少し痛みがあります。受傷後、一か月半でこれぐらいですので、アキレス腱自体の損傷はあまり大きくなかったのかもしれません。剣道も少しだけやってみましたが、稽古後には痛みと腫れが出るのでまだもう少しといったところでしょうか。
まとめ
剣道に限らず、競技を長年続けているとケガとは無縁でいられません。ですが、ケガには必ず原因があります。私の場合、審査に向けて稽古回数を増やしており(週4~5回)ケガをする1週間前に少しアキレス腱に違和感を感じました。2~3日で違和感はなくなったのでサポーターをつけて稽古を再開したのですが、ケガをしたときはサポーターを忘れて装着していませんでした。もっと注意深く対処していれば・・・と後悔の念はあります。
私のように身体に関する仕事をしている者ですら、ちょっとした過信でこのような事態に陥ってしまうのです。ですので、中高年の皆様におかれましてはとにかく無理をしない。おかしいと感じた時は医療機関を受診するということを覚えていただけましたら幸いです。よき剣道ライフを!
コメント